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【コラム】柴崎岳、悩める天才の進むべき道は?常勝鹿島復活は柴崎の飛躍と共に。海外移籍にはタイトルが必要

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2015年7月15日、本日は2015J1リーグ第二節「清水戦」が鹿島スタジアムで行われる。

この試合で復帰が期待される(左足指の怪我で当面休養が濃厚だが... ※追記:やはり出場せず)柴崎岳の今を考える。

屈辱の負け越しで終えた2015ファーストステージ

2015J1リーグの前期シリーズを6勝4分7敗の8位と負け越して終えた鹿島アントラーズ。リーグの中断期間に、鹿島黄金時代を築いた柳沢、中田、新井場3選手の引退試合が開催され、久しぶりに超満員の鹿島スタジアムで、サポーターの笑顔が満開となった瞬間だった。
ファーストシリーズのホームゲームで鹿島が勝利したのは、わずかに2試合。かつては、ホームで無類の強さを発揮していた常勝鹿島の面影はない
安定しないディフェンスライン、チャンスは山のように作るが決められないオフェンス陣。常勝鹿島の真骨頂だった、ここぞという時の勝負強さも影を潜め、ふがいない戦いが続いている。

7月11日に始まったセカンドステージ。アウェイで新潟と対戦した鹿島は、奇跡的なロスタイムのツーゴールで見事な逆転勝利を飾った。確かに、負け試合だったゲームを土壇場でひっくり返し、開幕戦で勝ち点3を得たことは非常に大きい。しかし、この勝利はあくまでも「奇跡」が起きた結果でしかない。
ゲーム全体を見れば、完全に新潟の勝ちゲームであり、あのままゲームをリードした状態で終わらせる冷静さが新潟にあったならば、鹿島イレブンの乗った帰りのバスは重苦しい雰囲気になっていたことだろう。
つまり、チームの状況は、ファーストステージからそれほど改善されているとは言えない状況だということだ。
そして、そのチームの中に、柴崎岳の姿はなかった。

セカンドステージ第一節「新潟戦」ハイライト

柴崎の苦闘と苦悩。

アギーレジャパンで鮮烈な日本代表デビューを果たし、遠藤なきハリルジャパンにおいても引き続き「背番号7」の系譜を引き継いだ柴崎岳。ロシアワールドカップ二次予選を控えた親善試合のイラク戦で放った本田への一発のパスが、一部メディアの間で「プチ柴崎フィーバー」を巻き起こしたのは記憶に新しい。しかし、迎えた本番のシンガポール戦では、先発出場を果たしたものの「ゴール」という見せ場をつくることなく、チームもまさかのドローに終わった。
子供の頃から各年代の日本代表でプレーしてきた柴崎にとって、もはや日の丸をつけることは「当たり前」なのかも知れない。ただ、クラブでのプレー、つまり鹿島アントラーズでのパフォーマンス、そして結果が伴わなければ、代表でプレーする資格がないといことも、彼は重々承知しているはずである。

柴崎は、アントラーズで主に、4ー2ー3ー1のボランチの一角に入る。
トップ下にはセカンドストライカータイプの土居がいるので、柴崎の役割は自ずと「チームの指令塔・ゲームメーカー」ということになる。
ファーストステージは、エースストライカーであるダヴィの不在が大きく響いた。鹿島は、赤崎、高崎、金崎らなぜか「崎」のつくフォワードを試行錯誤しながらワントップに起用したが、結局「ベストチョイス」を見つけられないまま、シーズンの半分を終えてしまった。
紆余曲折あって、再入団したジネイも早々に膝の故障が再発して離脱。復帰をあせるダヴィも、フィジカルコンディションが戻らず、未だ先発起用のメドは立っていない。
この「計算できるセンターフォワードの不在」は、チームの完成度はもちろん、チームの舵取りをする柴崎のプレーにも大きな影響を与えた。

その逆に、「得点力のあるセンターフォワード」をパートナーに得て輝きを増したのが、サザン鳥栖の鎌田大地である。
18歳の高卒ルーキーは、11節の松本戦で初出場すると、すぐに初ゴールを決める。さらに先発に定着し始めると、非凡な才能が開花。セカンドステージ開幕戦の柏戦では、鳥栖の真骨頂であるカウンターサッカーの起点となり2ゴールをアシスト。そのうち、豊田に出したラストパスは、やべっちFC内の「解説するっち」で本人が語ったように、短時間でピッチ内の敵味方の情報を把握する能力、味方の動きに合わせて、もっともゴールの確率が高い選択をする能力をいかんなく発揮した結果だった。
彼の飄々としたプレースタイルは、かつて平塚でデビューしたばかりの中田英寿を彷彿とさせる。そう感じるのは小生だけだろうか?
この鎌田のブレイクの影には、チームの大黒柱として今シーズンもゴールを量産し続ける豊田の存在があり、その豊田を軸とした鳥栖の明確な戦術スタイルがあることは確かだ。

鳥栖VS柏戦 鳥栖・鎌田のプレーハイライト

宮市、宇佐美、武藤...海外に旅立つ同世代へのあせり

同じ年の武藤がドイツ・マインツへの移籍を決めた。ジュニア時代からの盟友である宇佐美は、すでにバイエルンなど海外クラブで経験を積み、それをJでのプレーに確実に反映させている。同世代の宮市もキャリアのほとんどを海外で過ごしている。
上昇志向が強く、常に上を目指して努力してきた柴崎にとっては、ライバルたちに先んじられたあせりは間違いなくあるだろう。
その才能を見初められ、小さな青森のクラブチームから、青森山田中に入学。その頃から飛び級で上級生のチームでプレーしてきた柴崎は、鹿島への入団も「飛び級」で二年生の時に決めている。しかし、プロになってからは、思うようなステップアップができていないのが現状だ。何より彼は、新人賞やベストイレブンなどの個人賞は受賞しているが、チームとしてのタイトルを何一つ手にしていない。
もちろん、それは柴崎一人の責任ではない。むしろ、チーム変革期という大変困難な時期にチームのタクトを任されてしまったという不運な部分でもある。
だが、79年組のレジェンドである中田浩二が引退したように、これまで鹿島を牽引してきた小笠原、本山、曽ヶ端らベテラン勢の引退は遠くない未来に必ずやってくる。
すでにキャプテンマークを巻いている柴崎は、チームの顔であり、紛れもない中心選手である。彼にかかる期待は大きく、そして勝敗に対する大きな責任が、その双肩にかかっている。

その「責任」は、柴崎を成長させるものであると同時に、さらに次のステップへと進むための一歩を遅らせる要因にもなりえる。
柴崎は、すでに23歳。武藤が旅だったように、もう海外に移籍し、欧州でのキャリアをスタートさせて良い時期だ。
もちろん、契約の条項に海外移籍についての文言も含まれているだろうし、代理人をつけて移籍先を探せば、すぐにでもオファーは届くだろう。
だが、彼の負けず嫌いな性格からして、このまま鹿島で「何も成し遂げないまま」チームを離れるのは、おそらく本望ではないと考える。
つまり、プロ野球・楽天の田中投手が自信の獅子奮迅の活躍で楽天を初の日本一に導いてからアメリカへ移籍したように、柴崎にとっても「海外移籍を自分自身の中で容認」できるのは、鹿島でタイトルをとったその時ではないだろうか。
もちろん、鹿島にとってスター選手である柴崎を海外移籍で失うことは、戦力面でも営業面でも大きな痛手である。しかし、サッカーというスポーツは、世界に広がっている。小さなクラブは選手を育て、ビッグクラブに高値で売ることで経営を維持している。鹿島はビッグクラブではないが、日本ではもっとも多くのタイトルを獲得してる名門クラブだ。だが、世界のサッカーマーケットからすれば、単なるアジアの小クラブでしかない。柴崎の欧州挑戦を止めるものはいないし、諦める本人ではないだろう。
鹿島から旅だった内田がドイツの名門でレギュラーを獲得し、チャンピオンズリーグの大舞台でプレーしたことは、我々鹿島サポーターの誇りである。
柴崎にも内田と同じ道、いや内田以上の成功を実現させてほしい。
そのためには、「鹿島がタイトルをとること」が必要不可欠なのである。
柴崎のために優勝を目指す訳ではないが、「おまえがいなくなっても、俺たちは強いよ」と笑って送り出してあげられるようなチームを作り上げなければならない。

越えるべき遠藤、目指すべきピルロ

柴崎は高校二年生の時、高校サッカー選手権で準優勝している。青森山田のエースとして出場した柴崎は、めざましい活躍でその名を全国に知らしめた。その選手権の実況で、彼は「リトル遠藤(保仁)」と呼ばれたことを非常に嫌がった。
自分は、どんな名選手のコピーでもなく、唯一無二の「柴崎岳」であるという想いは、当然あるだろう。だが、それだけ彼のプレーが日本屈指のゲームメーカーである遠藤保仁に通じる部分があることは、日本のサッカーファン誰もが認めるところだ。
もちろん、遠藤と柴崎はまったく異なる選手だが、そのポジション、広い視野とパス能力、ゲームの流れを読む力など、もっている能力の共通点は多い。その意味で、自分がさらに成長するために参考になる選手ではあるだろう。
だが、柴崎が世界を目指すならば、「日本の遠藤保仁」はある意味「通過点」でなければならない。本当に目指すべき高見は、世界屈指のレジスタ、アンドレアス・ピルロだろう。

ピルロは言わずもがな、イタリア代表、ミラン、ユベントスなどで活躍した世界一のレジスタである。
今シーズン、欧州での一線を退きアメリカ移籍を決めたが、カルチョスキャンダルで凋落したユベントスを再び欧州トップレベルのチームに引き上げ、チャンピオンズリーグ決勝まで導いたのは、ピルロであるといっても過言ではない。事実、ピルロをユベントスに引き抜かれたミランは、その後、没落していった。

ピルロはもともとオフェンシブなミッドフィルダーだったが、ミラン時代のアンチェロッティ監督にボランチの位置で舵取りをする役=レジスタにコンバートされ、その才能が開花した。彼が超一流選手へと脱皮するきっかけはミラン以前に所属していたブレシア時代にあった。彼はそこで、運命の出会いをする。そこにいたのは、イタリアの至宝、ロベルト・バッジョである。
彼はバッジョからサッカーのなんたるかを学び、そして「ピルロをピルロたらしめる最強の武器」を手に入れる。それがフリーキックである。

唯一無二の武器「フリーキック」を手に入れろ

ピルロのフリーキックには様々なバリエーションがあり、直接ゴールを狙うのはもちろん、味方に合わせるキックも最早、芸術品である。
フリーキックが得意なのは遠藤も同じで、ガンバ、代表でプレースキックのキッカーを本田と争い、ワールドカップでも直接フリーキックを決めている。
両選手にとってフリーキックは、「最強の矛」である。多くの得点チャンスが生まれるプレースキックのキッカーが優れていることは、チームにとって大きなメリットだ。
現状、柴崎のフリーキックは、正直物足りない。鹿島でもプレースキックを任されてはいるが、ゴールはない。印象としては、コースをうまく狙うものの、スピードとパワーが足りない。
アギーレジャパンでは、フリーキックやコーナーキックを蹴る場面も見られたが、ハリルジャパンでは、コーナーキックは本田と香川が主に担当していた。
セットプレーは、鹿島にとって十八番だったはずだ。そこには、常に優秀なキッカーがいたという歴史がある。柴崎はその歴史をつなぐ役割も担っている。

柴崎は「総合的」にすばらしい選手だが、それだけでは「一流のその先」には到達できない。彼しか持たない「武器」を手に入れることが絶対に必要である。
今から、圧倒的なスピードや競り負けない高さを手に入れるのは困難だが、「世界最高のフリーキック」を身につけるのは、本人の才能と努力次第で不可能なことではないだろう。
柴崎には才能がある、努力する力がある。
柴崎が「フリーキック」という武器を手にした時、彼は別次元の選手へと進化すると小生は確信している。

鹿島で結果を残すことが海外移籍という未来につながる

鹿島は本日(2015年7月15日)、ホームでセカンドステージ二節となる清水戦を行う。ファーストステージ最下位で、先日のセカンドステージ開幕戦も神戸相手に大敗した清水だけに、負ける訳にはいかない。
そもそも清水とのファーストステージ開幕戦で破れたことが、歯車を狂わす大きな要因だった。同じ轍を踏むことは許されない。

清水VS鹿島 2015-J1第1節 勢いある清水に完敗の不完全な鹿島。ハンド見逃しは言い訳にならず。
怪我で離脱していた柴崎も先発復帰が期待されるが、まだ詳細は不明だ。(※追記:やはり出場せず)
彼に求められるプレーは、チームの攻撃のタクトをふり、攻撃を活性化させること。
鹿島には、カイオ、金崎といったスピードのあるウインガーが存在する。鹿島伝統のサイド攻撃を復活させるためには、サイドバックも含めた彼らの活躍が必要不可欠である。
そのサイドアタッカーを生かすも殺すも、柴崎のパス、ゲームメイクにかかっている。
柴崎には、なるべくプレッシャーのかからない位置でボールをもらうことを心がけ、深い位置からのロングパスやサイドチェンジで縦に速い攻撃を展開してもらいたい。
もちろん、自身が得点に絡むことも、欧州移籍を考えれば必要なタスクとして心がけなければならない。
そのためにも、フリーキックという武器を手に入れることは重要だ。

本山の引退を待っている訳ではないが、彼の10番は柴崎が継いでくれる。
柴崎がアントラーズレッドのユニフォームにいくつの星を追加してくれるのか。
我々サポーターは楽しみに、そして切実に「天才・柴崎の覚醒」を待ちこがれている。

【参考文献】

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