漫画「逃げ恥」1巻で考える契約結婚の実現性と「結婚とは何か」

逃げるは恥だが役に立つ(1) (Kissコミックス)

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漫画「逃げるは恥だが役に立つ1巻」ネタバレと感想と考察

契約結婚を題材にした人気漫画「逃げるは恥だが役に立つ1巻」のネタバレと感想と考察をまとめました。

第1話「契約結婚!サラリーマンの妻に採用された女」

主人公・森山みくりは25歳。

大学の心理学部を卒業後、就職難から大学院に進学。

それでも就職先は見つからず、仕方なく派遣社員として「特にやりたくもない仕事」を続けていたが、つい最近、派遣切りにあって現在無職。

そんな休職中のみくりに、「アルバイト」を見つけてきたのは実の父だった。

仕事の内容は「家事代行サービス」。

父親の元部下だった独身男性の家に週一回通い、3時間の労働で給料は6千円。

みくりはその仕事を受けることにした。

家事代行に通う相手は、津崎平匡、36歳の独身。

頼んでいた家事代行サービスのクオリティに不満を抱いており、かなり神経質な性格。

みくりにも細かく注文を出し、前金で費用を払い、「気に入らなかったら今回で終わり」とかなりドライな対応を見せる。

かなり気難しい性格だと心して作業にとりかかったみくり。

無事に、次回からも引き続き掃除を受け持つことになる。

次の掃除の時にみくりは網戸を掃除し、平匡から感謝の言葉をもらう。

自分の仕事がクライアントから感謝されたことに喜ぶみくりだった。

みくりの叔母である百合は、大手企業で働くキャリアウーマン。

50歳を過ぎて、処女、独身という女傑である。

百合はみくりの相談相手。

今回も仕事の事を相談すると、早く結婚するようにすすめられる。

「誰からも一度も選ばれないってつらいじゃない」

百合の言葉にみくりは「みんな誰かに必要とされて生きていきたいだよなあ」と感慨深く思う。

そんなある日、同居していた両親が田舎のログハウスに引っ越すことになり、無職で家賃を払うこともできないみくりは、半ば強制的に移住することになる。

仕事が続けられなくなったことを平匡に告げると残念そうなそぶり。

それでも仕方なく、最後まで与えられた仕事をまっとうしようとしいた矢先に事件が起こる。

みくりが仕事中に、平匡が帰宅。

どうやら風邪をひいたらしく早退して病院に行くとのことだった。

一度は帰宅したみくりだったが、病人を置いてくるなんて!と母に怒られ、平匡に連絡してみることに。

予想外に、助けを必要としているようだったので、みくりはお使いに出かけることになった。

平匡のマンションに着くと、本人が床に倒れていた。

熱を計ると39度。

みくりが頼まれていた買い物を渡すと、お金は財布からとっていいと言われる。

「森山さんは信用しているんで」という言葉にはっとする。

交通費と手間賃も支払われることになり、みくりは看病を「仕事」として受けることに。

看病をして買い物をして、おじやを作って食べさせる。

おじやの味にほっとする平匡。

普段クールな平匡が弱っている姿に萌えてしまうみくりは、せっかく距離が近づいたのに、平匡との関係が終わってしまうことを残念に思った。

いよいよ、家事代行の仕事最終日。

人に構われたり、家にいられたりするのが好きではない平匡だったが、みくりは平気だった。

みくりは距離をわきまえていて、さらにお互い「仕事として割り切っていた」のが良かったのだろうと自己分析する。

「可能であればこのまま続けていただきたかったですが、残念です」という平匡の言葉に、みくりは突然、「就職として結婚するってのはどうでしょうねえ」と突拍子もない提案をする。

契約結婚のお誘いである。

もちろん「では、そうしましょう」となるはずもなく、みくりは仕方なく両親と一緒に田舎に移住することを決断する。

対する平匡は、みくりの提案した「契約結婚」のことが気になっていた。

  • 何かあった時に誰かいるのは助かる
  • 仕事としての結婚なら何かと面倒なことをしなくて良い

など考えればメリットも出てきた。

そして平匡は、みくりに「事実婚」を提案する。

森山みくりは、「サラリーマンの妻」として正式採用された。

第1話・考察

仕事としての家事を行うための妻を雇用するという「契約結婚」に踏み切った平匡とみくり。

相当な変わり者同士でなければ成立しないこの人間関係が、スタートしたことがまず奇跡だろう。

一度もまともに就職できず、派遣切りにもあったみくりには「誰かに必要とされたい願望」があり、勤労意欲も存分に持っているという、なかなか見ごたえのあるイマドキ女子である。

対する平匡はみくりより10歳ほど歳上。

こちらも高学歴で優秀なSEとして働く真面目な青年。ただし、真面目過ぎたのか、女性には縁もゆかりもなく、おそらく「年齢=彼女いない歴」の高齢童貞だろうと推測されている。

婚姻関係のない「契約結婚」とはいえ、一つ屋根の下で暮らすのだから、相当な覚悟が必要だ。

お互いに共同生活を維持できる状況でなければ関係は成り立たず、その意味では、愛情とは別のもので結びついた強い信頼が必要だろう。

一緒にいて嫌な人とは契約結婚できるはずもなく、好印象だったこれまでのみくりの仕事ぶりが、平匡を思い切った行動へと駆り立てた原動力になったのは間違いない。

つまり「彼女とならやっていけるかも、メリットがあるかも」と平匡に思わせたということだ。

給料というコストをかけてでも、「妻を雇う」ことにメリットを感じた平匡。

職なし家なしの状態から救われる唯一の道であった「妻としての就職」という念願の正職を手に入れたみくり。

需要と供給のバランスが見事にとれた、稀有な例と言えるだろう。

実際に契約結婚をするとなると、相手選びは相当慎重に行わないと行けないだろう。

婚姻関係を結ぶわけではないとはいえ、世間的には「夫婦とみなされる」訳だから、「気に入りません、はいお別れします」という訳にはいかない。

雇用関係が生じるとはいえ、「結婚」であることには変わりないのだ。

第2話「契約結婚、始まる。」

平匡の提案により、事実婚をすることになった二人。

事実婚の場合、戸籍はそのままで住民票を提出することで社会保障が受けられる。

業務、給料、休暇等、みくりの「妻としての勤務内容」が決められていく。

家賃、食費、光熱費は折半。

冠婚葬祭等の行事に出席する場合は時間外手当が出る。

寝室を分けて「夜の営み」はなし。

恋人を作る場合は、相手への気遣いを持ち、世間体を考えてなるべく見つからないようにすること。

こうして、平匡とみくりの仮面夫婦生活が始まった。

当然のように、結婚したのだから親戚に発表することになる。

二人は結婚式を挙げず、両親など親しい家族を集めての食事会のみで、結婚に関する儀式を終わらせようとしていた。

その席で、平匡は「年齢=彼女いない歴」の高齢童貞であることが判明する。

食事会の後、部屋に戻った二人はお茶を飲みながらミーティング。

親戚たちを上手く納得させられたと一定の評価をする。

平匡は自分の部屋、みくりはリビングで眠る。

ほぼ同じ部屋に寝ているのと同じだが、ドキドキしたのは一週間程度だった。

みくりは平匡のことを「草食系」だとお持っていたが、まさかの高齢童貞。

「特に劣っているところはないけれど、それゆえにプライドは高そう」と心理学部出身らしく分析し、この話はタブーだと結論する。

そういう意味で、平匡と百合は同じかもとみくりは考える。

百合も美人でもてたのに、高齢処女のまま独身を貫いている。

あの二人がもうちょっと年が近ければお似合いなのにと思いつつ、みくりは眠りに落ちた。

場面変わって、カフェで部下に説教をする百合。

後ろの方で面白そうな会話が聞こえてきた。

女性ともめているのは、平匡の同僚イケメンである風見。

「結婚って何のメリットがあるんだろうね」と問いかける風見。

一人でも何の問題もなく楽しく暮らしているという風見に、女性は「なんで私とつきあっているんですか?」とたずねる。

「君のことは好きだし、一緒にいて楽しいけど、ずっと一緒にいたいとは思わない」というのが風見の答えだった。

一緒にいることで面倒が増える=自分一人できめられていたことに双方の同意が必要になることが煩わしいという。

「ずっと一緒にいてもいいじゃないですか?」という女性に対して風見は「じゃあ君はなくても困らないものを買う?」と笑う。

こうして始まった、平匡とみくりの「契約結婚、仮面夫婦生活」は、平穏なクリスマス、そして怒涛のお正月へと進んでいく。

第2話・考察

この事実婚を始める上で、平匡の「とにかく細かい律儀な性格」は大きくプラスに働いている。

事実婚という「ある意味、他人二人による共同生活」を行う上では、細かなルール作りは必須で、それをやっておかないと後々次々と不満やすれ違いが頻出し、おそらく共同生活は立ち行かなくなるだろう。

その重要性は薄れたとは言え、「結婚=お互いの家同士の結びつき」という意味合いは強い。

男女が結婚するとなれば、お互いの家に許可をとらない訳にはいかない。

契約結婚の二人だが、それをそのまま事実として伝えるのは良くない。

一般常識的には「ぶっとんだこと」をやっている訳なので、素直に賛同が得られるはずはないだろう。

これは二人の秘密として進めていく他にない。

事実を隠して生活していくというのは何かと不便で気を使うので、できることなら正々堂々と「契約結婚です」と表明してやっていきたいところだが、世間的を考えるとそれも難しいだろう。

風見の考え方には賛否両論あるだろうが、「結婚にメリット・デメリット」を見出し始めた時点で、もはや泥沼に足を踏み入れたと思っていいだろう。

結婚なんていうものの大半は、半ば勢いでなされるようなものだ。

「相手が好きだがらずっと一緒にいたい」というある種、一時の気の迷い、のぼせによって通常は「愛する二人」が婚姻関係を結ぶ。

そこに、「メリット・デメリット」を考えるような冷静さが介在することは少ない。

自分と結婚したいと少なからず思っている女性に「じゃあ君はなくても困らないものを買う?」と辛辣過ぎる言葉を言えてしまう風見は、冷酷なのか、ただ自分の気持ちに正直なのか。

少なくとも、自分自身(の考え)に相当な自信を持っているであろうことは推測できる。

第3・4話「妻としての業務、正月の実家訪問と夫の友人接待」

年末、みくりは「妻」として平匡の実家を訪問し、年末年始を過ごすという業務についていた。もちろん、時間外手当をもらっている。

順調に任務をこなしていたみくりだったが、当然のことながら夜は同じ部屋で眠ることに。

みくりはすぐに眠ってしまったが、眠れないのは平匡の方だった。

もともと人がいると眠れない平匡。

隣で無防備な若い女性が眠っているという未だ経験したことがない状況にとまどっていた。

お正月も無難に過ごし、次はみくりの実家へ。

お正月明けの会社。

同僚の日野が、平匡の奥さんを見たいと言い出し、結局、日野、風見、沼田の三人が遊びに来ることに。

みくりには休日手当が支給されることになり、当日を迎える。

しかし、言い出しっぺの日野が子供の体調が悪くなり欠席。

風見と沼田だけがやってくる。

二人は「仮面夫婦」であることがバレないように最新の注意を払う。

特に寝室のシングルベッドを見られないように相談していた。

みくりの手料理で二人をもてなす。

意外と料理好きの沼田と意気投合しているみくりを横目に、風見は「意外に新婚家庭」をしている平匡に驚いたと告げる。

風見は、平匡は「結婚しなくても良いタイプ」だと思っていたらしく、「結婚っていいですか?決め手になってのはなんですか?」ときいてきた。

それに対して平匡は、「一人でなんでもできるけど、でも安心って、実は人が与えてくれるものなんだって思ったんですよ」と答えた。

会はお開きになったが、突然の集中豪雨で電車が止まり、結局、全員、平匡の部屋に泊まっていくことに。

布団は2組しかなく、ベッドはシングル。季節は冬。

検討した結果、ベッドにみくり一人が寝て、リビングで男3人が眠ることに。

しかし、沼田は完全なるゲイのため、平匡も気が気ではない。

いつも平匡が寝ているベッドに入ったみくり。

一人で寝ているのに、平匡と一緒に寝ているような気分になる。

朝、沼田の作った味噌汁で朝ごはん。

「正直、結婚して何かいいことあるのって思っちゃって」と風見。

平匡は冷静に各種控除や生活にかかるお金が安くなると結婚のメリットを語る。

水道光熱費、家賃、食費。外食より費用が抑えられて栄養バランスも良い。

みくりは、「食材が余りにくい」ことをメリットとしてあげ、沼田も同意する。

毎日の掃除、宅配荷物の受取、各種振込の手配など、細々とした結婚のメリットを語る平匡とみくり。

風見は、今まで自由になっていたお金が不自由になることが嫌だと言う。

それに対して、平匡がお金をすべて管理し、効率的にやりくりをしている二人は、どこかビジネスライクな会話。

風見は「相手に頼られることが増えて荷が重くないか」とまたしても苦言。

それに対して平匡は、みくりは相談はしても頼ることはないと、反論する。

そんな平匡の受け答えに、沼田は「新婚感がない」と一言。

駅へ向かう道。

風見は「津崎さんのところはなんか役割を持っててドライな感じがして、その一方でちゃんと相手も尊敬もしていていいですね」と語る。

「愛情ばかりでつながっているとお互い甘えが出るのかもしれませんが、うちは感謝(雇用)で」つながっているので」とみくり。

「人地の寂しさを誰かといることで埋めたいとかないですか?」とたずねるみくりに、

「自分の時間を誰かに侵食されるわずらわしさのほうが勝るかもしれません今は」と返答する風見。

「自分勝手?」と返した風見に、「いえ、わかりますよ。風見さんは自分の気持ちも相手の気持も大事なんじゃないですか?」と理解を示したみくりだった。

みくりは、夫婦間の話し合いの重要性を説く。

「大事なのは引っかかったことをうやむやにせず、その場で納得するまで話し合うことですね」

「生きていくのはまあめんどくさいですよね。それは人でも二人でも変わらず、楽に生きることを追求したら最終的に死に向かいますからね。

自分が楽をしたくて片方に押し付けようとしたり、相手からそれを感じたりして、結婚が面倒に感じるのかもしれませんね」

風見は未だ腑に落ちない表情でそれを聞いていた。

百合と風見の出会いがあり、沼田と風見は帰っていった。

沼田は帰り際に寝室をのぞいていて、シングルベッドであることを疑わしく感じていた。

それを聞いた風見は、妙な違和感を覚える。

第3・4話・考察

「一人でなんでもできるけど、でも安心って、実は人が与えてくれるものなんだって思ったんですよ」と語る平匡の言葉は、「家族」としていつもそばにいてくれる人の存在、ありがたみを実感した人でないと出てこないものだろう。

平匡にとっては、例えば病気をした時に、献身的に介抱してくれたみくりの存在がそれだ。

例えばみくりがいなかったとしても、もちろん大変ではあるが、自分で処理をして、苦難を乗り切ることはできる。

しかし、みくりがそばにいて与えられる「安心」は、非常に大きい存在であると実感できたのだろう。

「結婚して良いこと」は、家庭ごと、人によっても違うだろうが、

1馬力から2馬力になることで得られるメリットは様々で大きい。

二人の個性が違う人間が共同生活をしているのだから、お互いの得意分野を活かすことで、自分の苦手分野をカバーできるし、単純に人手が二倍あるというのは何かと役に立つことだ。

金銭的な部分、労働力の部分、お互いが怠けることをせずに自分の仕事をまっとうすれば、一人の時より、楽になることは多いだろう。

「相手に頼られることで荷が重い」ということを実際に結婚をして感じたことは僕の場合ない。

夫として、父親として、やるべきことは理解しているし、その役割に応じた妻の期待に応えたいという気持ちは当然ある。しかし、それを重荷と思ったことはない。

契約結婚ではないので、金銭のやりとりは当然ない。

通常の結婚の場合、相手の期待に応える・要望を満たすことは「義務」とまでは言わないが、もはや考えるまでもなく当たり前のことで、その根底には相手や家族への「当たり前の愛情」が存在するのだろう。

人間関係において「話し合い、納得すること」は非常に重要である。

これは夫婦間だけでなく、すべての人間関係に言えること。

特に、もはや離れることは許されない「夫婦」という人間関係においては、しっかりと話し合い、お互いの気持ちを知り、納得することは重要だ。

好きで結婚した相手とはいえ、「愛情があるから何でも大丈夫、耐えられる」というのは間違いだろう。そこを勘違いしてしまうと、夫婦関係は簡単に崩壊する。

夫婦というのは、同じ苗字を持ってはいても、まったく異なるパーソナリティを持った別人であるということを忘れてはいけない。

価値観の相違は様々な部分である訳で、細かなすり合わせがあったり、どちらがか折れなければならないこともあるだろう。

「結婚が面倒」などと感じるのは、まだまだ覚悟が足りないのだと思う。

そもそも、人と人との関係なんてものは「面倒の権化」なのだ。

それに気づかずに結婚して、「ああ、結婚って面倒だわ」なんて言っているうちは、結婚の本質などまだ遠く霞の先である。

2巻に続く

結婚したい人も悩んでいる人も読むとためになる本

逃げ恥で結婚とは何かを考えるコラム連載中

漫画「逃げ恥」1巻で考える契約結婚の実現性と「結婚とは何か」

漫画「逃げ恥」2巻で考える「プロの独身」と契約結婚と恋愛感情

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