【完結】マンガ「ミュージアム」3巻感想・ネタバレ 沢村VSカエル男最終章!最後に生き残ったのは誰?噂のラストシーン真意は?

ミュージアム(3) (ヤングマガジンコミックス)

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沢村VS狂気のカエル男・霧島。最後の闘い

監禁されていた部屋のロックを外すキーとなるパスワードを見つけるため、カエル男=霧島早苗に与えられたパズルを解いていた沢村は、その中に「EAT」という文字が隠されていることを発見する。

EAT、つまり「食べる」という意味であるが、ふと視界に入った食べかけの「マズいハンバーガー」から沢村は恐ろしい可能性を導き出してしまう。
パスワードを打ち込むと、ドアが開いた。

外にはキッチンがあり、至る所に血がこびりつき、巨大な肉切り包丁、何かの毛をそったであろうカミソリ、薄汚れたミンチマシーンなどが並んでいた。

奥にある冷蔵庫の扉に、妻・遥と息子・将太の写真が貼付けられていることに気がついた沢村は、「頼む、やめてくれ」と念じながら、ドアを開ける。

棚の上に置かれていたのは、バットの上に重ねられた遥と将太の生首だった。

身体の力が抜けた沢村は座り込み、のどを振り絞るようにして叫んだ。

その姿を別室でモニタリングしていた霧島は、歓喜のあまりによだれを垂らし、不適な笑みを浮かべる。

振り返ると、そこには拘束された遥と寄り添う様に身をすくめている将太がいた。

生首は「精巧」に出来た作り物であり、沢村を罠にはめるための小道具だった。

「四六時中休みなく働いて懸命に生活を支える夫を捨てた君は有罪」と霧島は遥に告げる。

「これは裁判員(君たち)を素材とした6つで1つの作品。ようやく完成するよ。また一つ僕のミュージアムに作品が並ぶ」

ナイフを持って遥に近づく霧島。

「家族だけは傷つけないで」と懇願する遥を霧島は部屋から連れ出す。

残された将太は一人、泣きながら母の名を呼び続けていた。

最後の作品作りにとりかかる霧島。しかし狭まる捜査の網

一方、霧島邸の外には、ついにカエル男の正体をつきとめた捜査一家・関端班の面々が集結していた。内部に突入した刑事達は、車の中で死んでいる霧島の主治医・堺幹夫を発見、邸内に突入する。

妻子の死を知り、泣き崩れる沢村。震えながら二人の生首に手をのばした時、カエルのマスクをかぶった霧島が現れる。

「命乞いをした」から「先に子供を窒息死させた」と沢村を挑発する霧島。「殺してやる」と叫び、半狂乱になった沢村は拳銃を発砲、霧島は逃走を始める。薄暗い地下道で、霧島と沢村の追いかけっこが始まった。

「殺す、殺す、殺す」沢村の心の中には、巨大な殺意が渦巻いていた。

霧島は、沢村を導く様に、入り組んだ廊下を疾走する。何度か角を曲がったところで、霧島はふいに立ち止まった。そこには、霧島と同じ「カエル男」の格好をした遥が立っていた。

「私刑執行」霧島がつぶやく。

追いついた沢村は、鬼の形相で目の前のカエル男=遥に銃口を向ける。

よみがえる妻との記憶。何度も夢に見たその背中

沢村と遥の出会いは高校時代にさかのぼる。

青春時代の淡い恋は、やがて実を結び、2人を結ぶ糸は切れる事なく夫婦となった。

息子も生まれ順風満帆の生活を送っていたが、沢村の仕事が忙しくなるにつれ、すれ違いが増え、歯車は狂い、やがて沢村自身も家庭をかえりみなくなった。

思い返せばやり直すチャンスはいくらでもあったが、しかし沢村は立ち止まることなく、関係を修復することは出来ずに最悪の事態を迎えた。

「父親としては最低よ」

そういって家を出て行った遥の背中が、目の前のカエル男と重なった。

沢村は確信する。

「何度も思い出したその背中・・・遥」

霧島の計画は失敗に終わった。自分の作品作りにおける最後のピースがはまらなかったことに激高した霧島は暴走し始める。

沢村は遥をその場に残し、霧島を追う。

霧島は将太を人質にして、再び沢村の前に姿を現した。そこにかけつける遥。霧島に捕まり、銃を突きつけられている将太を見て悲鳴をあげる。

「沢村遥を殺せ。それが坊やを救う条件だ」

霧島の要求に追いつめられた沢村は「俺は殺されたっていい。だから、どうか将太と遥は見逃してくれ。お願いだ」と頼み込む。

「それが答えか…エンディングは3つあった」霧島は語る。

霧島の提示したエンディングは

  1. 「君が奥さんを殺して息子と2人で生き残るエンディング」
  2. 「僕の隙を狙って、その足下にある拳銃を瞬時に拾い上げ、撃ち殺す」=家族三人助かるエンディング

そして最後のひとつは…言いかけたその時

「動くな」

霧島の言葉を制して、拳銃を構えた関端が眼光鋭く、霧島に照準を合わせた。

すでに、刑事達が霧島を包囲していた。

「僕の邪魔をするな!」霧島が動いた瞬間を見逃さず、沢村の発射した銃弾がその身体を射抜いた。

しかし、防弾チョッキを着ていた霧島は立ち上がり、逃げ出した。

霧島は刑事から逃れる道を探し、そのまま外へ飛び出した。

外は快晴、降り注ぐ紫外線によってたちまち霧島の身体に異変が生じた。

顔面が大きく晴れ上がった霧島は、ついに崩れ落ち、意識不明のまま病院に搬送された。

事件から1年後。悪夢にとらわれた沢村の今

事件から1年後、沢村とその家族は平穏な生活を取り戻したが、事件の残した爪痕は彼らの心に深く残っていた。

連続殺人鬼・霧島早苗は、いまだ昏睡状態のまま。沢村は刑事を辞めて別の職についていたが、事件のトラウマから月に2〜3度のカウンセリング通いを続けている。

「そして、最後のひとつは…」

あの日、霧島が言いかけたもう一つのエンディングについて、それはいったい何だったのかと考えずにはいられない沢村。

沢村は想像する。

「最後の一つは、家族三人天国で暮らすエンディングだ」

ラストシーン。

家族三人で将太の誕生日を祝う。

一人、心ここにあらずの沢村。将太が消したバースデーケーキのろうそくから立ち上る煙は、まるで墓前に捧げられた線香のように、白く細く、天に昇って行った。

連続殺人鬼・霧島早苗の真実

幼女樹脂詰め殺人、および裁判員連続殺人事件の犯人である霧島早苗は、なぜ誕生に至ったのか。そのルーツを探る上で重要なのは、「資産家夫婦バラバラ殺人事件」である。

これは「裁判員事件」から遡る事「10年以上も前」のことになるが、美術商の夫・霧島英二とその妻・景子が「無惨にコマ切れ」にされ、「まるで一つの人間のように並べられていた」という「未解決の猟奇怪事件」だ。

この事件の犯人は、おそらく当時中学生だった霧島早苗である。コマ切れにした人間の身体を並べ直すという手法は、霧島早苗の殺人における特徴である「作品づくり」の一つであると考えられる。彼はまるで「美術作品をつくりあげる」かのように自身の殺人を美化し、自ら「アーティスト」と名乗っていた。そこには、父親の職業である「美術商」という職業が大きく関わって来る。

彼の「光アレルギー」という奇病が先天性のものだとしたら、霧島早苗は幼い頃から日光をさけ、薄暗い家の中にとじこもって生活する事を余儀なくされていただろうと考えられる。他人との接触は少なくなり、自然、一人遊びを覚えた彼が、テレビや本、そして父親の職業であり、家の中にも多く存在していたであろう「美術品」に向けられて行った可能性は大いにある。

彼は殺人を犯す上で、ターゲットの素性やデータ、特性などをかなり詳しく調べあげ、資料をそろえ、周到な計画をたてて実行している。そのためには、情報や資料を的確に読み取り、分析し、行動に活かせるだけの知的能力が必要になる。彼の知能、思考レベルはかなり高い水準のものであり、多くの文書などに慣れ親しんでいたものと推測できる。

芸術への傾倒は、間違いなく父親の影響と考えることができるが、そこでポイントとなるのが、父と一緒に惨殺された景子が、実は「継母」であるという事実だ。

コミックス3巻をお持ちの方は、目次の一つ前のページをご覧頂きたい。そこには、霧島早苗に殺された被害者や関係者についての記述がある。もちろん、霧島早苗の両親についても説明があるが、プロフィールには「霧島早苗の実父・継母」と確かに書いてあるのだ。

つまり、少なくとも中学生の時点で、霧島早苗の実母は、離婚、もしくは死別して霧島家にはいなかったことになる。ここに霧島早苗が「モンスター」へと変貌してしまう原因があったと考えることもできる。

父親が再婚する迄のいきさつや、実母と霧島早苗の関係性が語られていないので詳細は不明だが、父親、実母、継母をめぐる霧島早苗の複雑な感情のねじれが、彼の人格形成において大きな影響を与えたことは少なくないように思う。

ラストシーンの真実

事件から1年後、沢村一家がやっと平穏な時間を取り戻し、息子の誕生日を祝っているシーン。幸せそうな場面だが、沢村自身は未だ事件のトラウマに苦しめられている。

沢村は、霧島早苗が言い終わらずにいた「もう一つのエンディング」を気にかけていた。沢村が想像の末に出した結論は「三人全員殺されて、天国で暮らすこと」だった。

だが、霧島早苗であれば、さらに残酷で無慈悲な結論を用意しておいてもおかしくはない。

それは「遥と将太が殺され、霧島が自殺し、沢村だけが生き残る」というエンディングである。

沢村は目の前で最愛の妻子を殺される。

絶望の淵に立たされた彼の唯一のよりどころは、殺人者・霧島早苗への怒りと憎悪と殺意だろう。彼は霧島を自分の手で殺したいと思うはずだ。

しかし、そこで霧島が自殺してしまえば、沢村は永久に復讐の機会を失う事になる。家族を殺した犯人をその手で殺すことは永遠にできない、そして自分だけは妻と息子のいない世界で一人生きて行かなければならない。妻子を救えなかった後悔と無念、やり場のない怒りを抱え、自分だけが一人生き残ってしまったという罪悪感に苛まれながら生きる人生は苦行以外の何ものでもないだろう。

霧島早苗であれば、それくらいのことを考えていても不思議ではない。

しかし、警察に囲まれた霧島が逃げ出した際、「こんな所で終わるものか」と叫んだ言葉は、この仮説と矛盾する。

この言葉が彼の本心であるならば、彼はここで沢村一家を始末して作品を完成させた後も、自らの創作活動を続けるつもりだったといことになる。ならば、自殺によって作品を作るという選択をするはずがない。

逃走時の彼の精神状態が当然、正常ではなかったという事実を考慮する必要があるが、どちらにしろ真実は闇の中である。

霧島の口ずさむ「メトロポリタン美術館」

ミュージアム第二巻169ページ〜で、霧島早苗が口ずさんでいるのは、かつてNHKみんなの歌で放送され、その衝撃的な歌詞の内容と奇妙なアニメーションから、聞いた子供達に多くのトラウマを残したという伝説の楽曲「メトロポリタン美術館(作詞作曲・歌:大貫妙子)」である。

この歌の主人公である少女は、最後に「絵の中に閉じ込められる」という悲劇的な最後を遂げるのだが、霧島の作品群という「ミュージアム」に閉じ込められた沢村一家もまた同じ末路をたどるはず、だったのかも知れない。

彼もまた、この歌によってトラウマを抱えてしまった子供の一人だったのだろうか。

メトロポリタン美術館歌詞

3回に渡ってお送りいたしましたマンガ「ミュージアム」を勝手にレビュー、分析したこの企画。

まだ「ミュージアム」を未読の方はぜひ一度、既読の方はもう一度本棚から取り出して、読み返してみてください。

そのページの裏側には、我々がまだ気付いていない驚愕の真実が隠されているかもしれません。

それでは、次回、「あの作品」を取り上げた新シリーズでお会いしましょう。

最後までご覧頂きありがとうございました。

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ぜひとも、一度ご一読を。

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いずれも、「ミュージアム」が面白かったというマンガファンには自信をもっておすすめできるサスペンス&ミステリー系マンガとなります。

詳しくレビューしておりますので、ネタバレをしたくない方は閲覧にご注意を。


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コメント

  1. みさき より:

    臨場感あふれる表現で感動しました。

  2. シカヲ より:

    みさき様
    最後までお読みいただきありがとうございました。
    楽しんでいただけましたら幸いです。

  3. さん より:

    マンガは途中まで読んでとてもこれ以上は読めないと止めましたが、どうしたも結末が気になりここに辿り着きました。とてもわかりやすく結末が分かってスッキリしました。ありがとうございました。
    追記,霧島が外に逃げ出す前後、霧島と沢村がごっちゃになっています。

  4. シカヲ より:

    記事をお読みいただきありがとうございました。
    作品読解のお役にたてたなら幸いです。
    また、ご指摘ありがとうございます。
    誤記部分を修正いたしました。
    重ねて、お礼申し上げます。

  5. TA より:

    映画化の情報でこの作品を知りました。
    自分は極度のビビリで、ことスプラッタ的な作品を観る事は大の苦手なんですが、こういった風変わりな5つの私刑といったように紹介されると、どうしても興味を引かれてしまうものがありますね…。

    当時中学生だった霧島が行ったと思われる夫婦惨殺ですが、「カエル男」の行動パターンからすると、もしかしたら夫婦は仲が悪かったなどの事情があって、それで”2人を1つにした”のかもしれないなぁ…と思いました。

    ともあれ、読みやすく引き込まれる文章でした。

  6. シカヲ より:

    TA様 コメントありがとうございます。

    やはり怖いもの見たさというものは、ありますよね。

    霧島の傾向からすると、殺人を一つの作品として考えるところがありますので、その下地が出来たのが「両親の惨殺」だった可能性はあるかと思います。
    そのきっかけとなったのが、ご指摘のような夫婦仲の悪さなどに対するストレスと、それを改善したいという欲求だったということもあるかも知れませんね。