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フィラリアを媒介するヤブ蚊が大量発生!筒井哲也の漫画「マンホール」<上巻>ネタバレ13〜14話 現場で起こった「最悪の事態」とは?

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漫画マンホール上巻

マンホール<上>10〜12話のレビューはこちら

マンホール<上>第13話「黒い霧」

禁煙に失敗した溝口のところに滝田がやってきた。そして、田村がマンホールから這い出て最初に目撃された場所が、依然自分が手にかけた少女の住んでいたマンションであると判明したことを教える。
事件から4年が経過し、その場所で少女と同年代くらいの女子中学生に遭遇した。田村は彼女をその少女だと思いこみ、謝罪をしようと考えたのかもしれない。
また女子中学生が落としたバックについても、本人の元に返そうという気持ちがあったと考えることもできる。

溝口は「確かめたいことがある」と井上と一緒に、堀川が死んだ現場に戻る。
そこで、溝口は堀川の母親と雨宮の「容姿が似ている」ことに気がつき、ある推論を立てる。
事件現場は、堀川が監禁されていたマンホールの「施設」から、堀川の自宅までを結んだ道中にあった。つまり、堀川は家に帰ろうとしていたのではないかということだ。
堀川が最後につぶやいた言葉は「ママ」だった。
フィラリアによって欲望のすべてが食い尽くされた堀川の中に残されていたのが「ママに会いたい」という気持ちだった。そうしてマンホールから這い上がり、家に向かって歩いていると、同じような容姿をした雨宮が歩いてきた。
片目は潰れ、もう片方の目に涙があふれる。
堀川は、雨宮を母親と勘違いして接触し、突き飛ばされて死亡した。
それを裏付ける証拠はないが、片目を失った者たちにも「動機と目的」があると考えると、多くのことのつじつまが合うと溝口は考えていた。

雨宮が堀川と接触した後の行動を調査していた保健所職員と合流した溝口と井上は、何か手がかりになるようなものはないかと問われ、証拠として押収した携帯電話を思い出す。
その頃、関口美香のアパートからは新型フィラリアをその身体に宿した蚊が大量発生し、すでに向かいの住宅では母親と息子が感染していた。
母親は、台所でキュウリと一緒に自らの指を包丁で切り落とし、息子は自室から「黒い霧」のように立ちこめる蚊の大群を眺めていた。
両者とも片目は、フィラリアによって深く浸食されていた。

第13話考察

田村に対しての溝口の怒りを抑えるかのように話した滝田のエピソードが、溝口の目を覚ました。
田村は、フィラリアに感染したことで脳の視床下部に損傷が生じているはずだ。そのため、ある主の「欲望」が押さえられている状態である。その時、自由を得た田村がとった行動が、自身が毒牙にかけた少女のマンションに行き、少女と同じ年代の中学生を追いかけて謝罪をするというものだった。
同様に、堀川自身の行動も、ただ脳の機能障害によるものではなく、「欲望」をそぎ落とされた上での「家に帰り母親に会いたい」という「より本能的な動機」のために行われていた可能性が高くなった。

これこそが、水野の求めていた「クズどもの浄化」の効果ということだろうか。
おそらく、その人間のパーソナルな条件によって結果は変化するのだろうが、ギャンブル狂で親に暴力を振るっていた堀川が母親を欲し、少女に対する性的暴行に対する罪の意識のかけらも持っていなかった田村が「謝罪をしよう」と行動した。確かに、どうしようもない人間、犯罪者をある意味で「変化させた」ということは言えるかも知れない。そして、フィラリアの「致死率0パーセント」にはやはり大きな意味があるのだと実感できる。ターゲットが死んでしまっては、フィラリアの効果による行動の変化が起こらないからだ。

マンホール<上>第14話「最悪の事態」

雨宮の遺留品である携帯を確認すると、関口美香という女性から意味不明な内容のメールが届いていた。
井上が美香の住所を調べている間、溝口が保健所職員からフィラリアに関する最新情報をレクチャーされる。
捜査員が服用しているスパトニンは効果的であること。フィラリアの媒介虫がヒトスジシマカで、卵の状態で越冬するため、現在冬季の日本では大量発生する可能性はきわめて少ないということ。
念には念を入れて、偶発的な羽化にも備えて雨宮の足跡を追うことになり、判明した関口美香のアパートへ急行する。
現着した溝口は、美香のアパートの向かいにある一軒家の二階に、フィラリアに感染した少年を発見。窓ガラスを割って、中を捜索する。
井上を二階に向かわせ、溝口は血のにおいがする台所へ。そこには、フィラリアに感染して前後不覚になった主婦が、自分の指をまな板で切り落とし、倒れていた。
意識が混濁している主婦の手が動き、まな板の上の包丁が落下、あろうことか溝口の足に刺さってしまった。

第14話考察

保健所職員の追跡調査に合流する形で、ついに関口美香にたどり着いた捜査陣は、現場に急ぐが、すでに事態は切迫していた。
関口美香のアパートから大量発生した蚊は、美香を襲うのだけでは飽きたらず、炭酸ガスを追って外に出て、向かいに住む主婦と子供にフィラリアを感染。彼らはすでに発症してしまった。
虫よけスプレーの効果は絶大だが、唯一気をつけなければならない「感染者の血液」にふれてしまった溝口の運命はいかに?

タイトルの「最悪の事態」とは、関口美香のアパートから、感染源であるヒトスジシマカが予想外の大発生をしてしまい、すでに隣家に感染被害が及んでいること。そして、捜査員の溝口自身が、感染者の血液に触れてしまったこと、この2点を指していると考えられる。

→マンホール<下巻>に続く→恐怖!蚊に刺されすぎた女!漫画「マンホール」<下巻>ネタバレ15〜17話

 

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