【クロ現プラス】「逃げ恥」といきなり結婚から考える若者の「恋愛と結婚」の今

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「逃げ恥」ブーム?「いきなり結婚」が注目される理由

彼女いない歴=年齢という「プロの独身」男性と、職なし彼氏なしの崖っぷち女性による「契約結婚」生活を描くマンガ「逃げるは恥だが役に立つ」がドラマ化され、人気となっています。

この物語の中で描かれるのは、通常、結婚の前にあるはずの「恋愛期間」をすっとばした「いきなり結婚」というライフスタイル。

「逃げ恥」人気によってにわかに注目されて始めたことの「いきなり結婚」にNHKも食いつきました。

先日放送されたクローズアップ現代プラスのテーマは「恋人いらないってホント? 出現!いきなり結婚族」。

番組内で「逃げ恥」を取り上げるなど、ドラマの人気にあやかったものですが、内容はとても考えさせられるものでした。

「恋愛が面倒」「セックスを嫌悪している」。そうした若者が急増している。9月に発表された国の調査でも、独身男性の約7割、女性の約6割に交際相手がおらず、独身男女の4割に性経験がないことが明らかになった。一方、恋愛プロセスを飛ばして「いきなり結婚」を目指す若者もいるという。一体、何が起きているのか。番組では若者800人にアンケートを実施。先進国でも異例とされる“恋愛無用社会”の深層に迫る。

【参考】クローズアップ現代プラス「恋人いらないってホント?出現!“いきなり結婚族”」

 

熟年結婚というのももちろんありますが、結婚は基本的に「若者」の問題。

まずは、結婚に関する現代の興味深いデータが示されます。

若者の半分以上に交際相手がいない

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国の調査によると、交際相手がいない未婚者の割合(18〜34歳)は2015年現在、男が69.8%(2005年は52.2)、女が59.1%(2005年は44.7)となっています。

つまり、男女共に半分以上の若者が彼氏彼女がいないということになります。

 

さらに、独身で性経験のない人の割合は、男=2005年:31.9%・2015年:42%  女=2005年:36.3%・2015年:44.2%とのこと。

共に上昇していますが、交際相手がいないのだから、そういうデータが上がってくることも頷けます。

 

それを踏まえて、番組に登場した「最近の若者たち」の姿を検証しつつ、「現代の結婚」について考察してみましょう。

恋愛をすっとばして結婚したい人たち

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まず登場したのは、結婚相手をインターネットで募集しているという女性。シェアハウスに住んでいる会社員のタマエさんです。

ネットで結婚相手を探す女・タマエ

タマエさんは、年齢、年収、見た目などは問わず、恋愛期間をはしょって結婚したいと思っている「いきなり結婚族」の一人。

現在は、女性2人、男性7人と一緒にシェアハウス暮らしで、家に帰れば必ず誰かがいるので寂しさは感じないそうです。

 

IT企業の広報をやりながら、音楽関係の趣味などプライベートも充実。

しかし、恋愛したいという気持ちはゼロで、「子どもは欲しいから」という理由で結婚したいと思っています。

タマエさんは、自身の結婚観について、このようにコメントしています。

「子どもを産むには結婚しておいたほうが得なことが多い。

子どもについて何か自分がジャッジ(決定)しなければいけない時に、意思決定者が私ともう一人くらいいたほうが安心かなって」

そのコメントに対して、シェアハウスに住んでいるのであろう同年代の女性が「共同経営者に近いイメージ?」と訊ねると、タマエさんは「そうそう」と頷いていました。

 

同じ屋根の下に独身男子が山ほど住んでいるにも関わらず、タマエさんにとっては「同居男性は兄弟みたいな感覚なので対象外」だそうで、その点では「結婚相手は誰でも良い」訳ではなさそうです。

 

「結婚してからも一緒に住めるパートナーは必ずしも好きになってドキドキする人じゃなくて、(シェアハウスで)共同生活を一緒に過ごしていけそうだと思えるひとのほうが大事」と語るタマエさん。

だったら、同じシェアハウスに住んでいる人が一番良いじゃないかとつっこみたくなるのは、僕だけでしょうか?

 

実際に、タマエさんがインターネットを通じて結婚相手を募集したところ、3週間で25人から応募があったそうです。

男性からは「条件がわかりやすくて良い」と好評だそうです。世の中、どんなことにも需要はあるものですね。

 

タマエさんの「いきなり結婚」活動はまだまだ道半ばのようで「説明会という名の飲み会をやりたい」と意気込んでいらっしゃします。

「旦那になるかどうかのインターン期間と思って住んでもらえれば楽しい」というコメントにあるように、この風変わりな婚活を存分に楽しんでおられるようです。

【考察】結婚と感情の問題

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タマエさんの場合、「恋愛・結婚には興味もないし、したいと思わないけれど、子供は欲しい」という人生を望んでいるタイプでしょう。

この場合、無理に結婚する必要もなく、フランスでよくあるような法律的な手続きを伴わない・もしくは簡素化した「事実婚」でも良いですし、未婚の母でも良いということになります。

以前から、「精子バンク」などを使い、恋愛・結婚することなしに母親になるという希望を叶える手段は実際に存在しています。

 

ただ、タマエさんの希望によると、決して「一人で子育てをすること」を望んでいないというところがポイントです。

子育てをする上での様々な意思決定。

例えば、体調が悪い時の対処方法やしつけ、さらに人生の大きなターニングポイントになり得る教育面などにおいて、「一緒に考え、責任をとってくれるパートナー」は欲しいと思っている。

そしてそのパートナーは、一緒にいてドキドキするような恋愛対象ではなく、ある種の「共同経営者」であることが理想だということです。

つまり、共同経営者=愛情という感情で結ばれていない相手と子供を作り、育てたい、ということです。

 

共同経営者の間には、一般的な夫婦に存在する(もちろん夫婦でも存在しない場合もあります)男女の愛情は存在しないということになるでしょう。その代わりに例えば、共同経営者としての友情や親愛の情、同じ道を目指す同士としての感情といったプラスの感情はあるのかも知れません。

 

愛情関係のない父と母の間に生まれた子供は幸せなのか? 

この「疑似家族関係」の問題点は、父親と母親の間に「愛情関係」が存在していないということ、そして「愛情関係のない父母の間に生まれた子供は果たして幸せなのか?」ということです。

もちろん、世の中には不仲な夫婦の間に生まれて来た子供というのは山ほどいて、全員が不幸という訳ではないでしょうが、「父母が不仲な家庭」で育った子供たちの中には、非行や問題行動を起こしている者が多いことも事実です。

 

夫婦の関係性というのは、少なからず子供の成長に影響を与えるもの。

タマエさんの理想とする「共同経営者夫婦」による子育てによって、どのような子供が育つのかは、やってみなければ分からないことかも知れませんが、興味深い事例となるでしょう。

 

愛情なしに夫婦生活は続けられるのか?

例えば、共同経営者の相手が病気になった場合、どうでしょう。

一般的な夫婦であれば、夫が風邪をひいて寝込めば、妻は献身的に介抱をしてくれます(愛情がある場合)。それは、愛情という感情によって結びついた家族だからです。

それが共同経営者の場合はどうなるでしょう。

自己責任として、自分自身で解決をするというのが、愛情を介さないドライな解決法かも知れません。しかし、その場合、共同の業務である「子育て」を相手に任せきるということになり、共同体の運営に支障が生じます。

「逃げ恥」のように、雇用関係にあるならば、金銭を支払って看病してもらうということも可能かも知れません。共同経営者として同等の立場であっても、特別に金銭を支払って、看病や子育て業務分担の委託をするのは可能でしょう。

共同経営者選定との「恋愛感情」を完全に断ち切れるのか

このタマエさんのケースの場合、結婚相手は恋愛感情のない共同経営者である必要があります。

しかし、インターネットでの「結婚相手募集」の呼びかけに応じてきた候補者の中から、実際に結婚相手を選定する際、完全に「恋愛感情」を捨てて実行することはできるでしょうか?

 

共同経営者は、恋愛感情とは切り離され、その他の条件(人格や収入、能力、協調性といったスキル)によって選別、選択されるべきでしょう。

しかし、選ぶ方も人間です。

例えば、共同経営者候補が二人に絞られました。

どちらも同じようなスキルを持った高い評価ができる人物です。その二人のうち、どちらかを選ばなければなりません。

そういった状況になった時、「こちらの人物の方が、あちらの人物より好みだから」つまり「好きだから選ぶ」ということが起こりえる可能性は否定できません。

そこには少なからず、「恋愛感情」、もしくは「恋愛感情のつぼみ」が存在すると考えてもおかしくないでしょう。

「共同経営者夫婦」にとって、「恋愛感情」は持ってはいけない禁断の果実です。彼らのどちらかでも相手に恋愛感情を持った瞬間、「共同経営者関係」は崩壊することになるでしょう。

 

「逃げ恥」においても、純粋な雇用関係だったヒラマサとミクリが、お互いを恋人として認め合い、恋愛感情を共有したことで、二人をとりまく世界は大きく様変わりしました。

 

共同経営者夫婦としての営みを続ける以上は、相手を選ぶ際にも、生活を続けている途中でも、二人の間に恋愛感情が芽生えることは許されないのです。

問題は、それが本当に可能かどうかという点です。

 

子育てはそんなに甘くない

私自身も親になってみてよくわかったことですが、子育てというものは、非常に大変で、忍耐を試される、人生の修行といっても過言ではありません。

子育てはまさに、夫婦の共同作業です(離婚した場合は違いますが)。

夫と妻が試行錯誤、失敗と挫折を繰り返しながら子供を育て、子の成長と共に、自分たちも成長していく。

その根底にあるのは、揺るぎない愛情です。

子供への愛はもちろんですが、夫婦の間の愛情も試されるのが子育てです。

愛するパートナーとの間に生まれて来てくれた命。その事実が、子供に対する愛情をさらに大きく、深くしてくれるのは間違い有りません。

共同経営者夫婦の間には、通常の恋愛感情はありませんが、「愛情」は存在するのでしょうか?

では、子供への愛情は?

親同士に特別な愛情はなく、それぞれ父親と母親が子供に対して、愛情を注ぐということになるのか?

どちらにしても、いびつな家族関係になってしまうと感じるのは僕だけではないでしょう。

タマエさんの婚活はどのような結末を迎えたのか、気になるので調べてみようと思います。

結婚相手探しは、ネット婚活サービスから婚活アプリへ

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 いきなり結婚族が広がりつつあることを示すデータ

として、こんなものが紹介されています。

 

大手結婚相談所3社

を利用している人のアンケート結果によると、

20代の割合が特に増加中(特にサンマリエ)。

中には大学生のうちから登録している人もいるなど、若年化している傾向にあるそうです。

(ちなみに僕の友人である女性は、楽天オーネットでお相手を見つけて、この度めでたく婚約しました)

 

結婚相手探しが、合コンや町コンなどの「リアルな場所」から、ネットを利用した婚活サービスの活用に発展し、さらに現在では、若年層には特に普及しているスマホを使った「無料婚活アプリ」が結婚への道をさらに加速させているといいます。

 

婚活アプリを登録し、年齢、年収、相手への希望などを登録すると条件に合った人が登録されるという手軽さがうけているとか。

何でも便利になる時代ですから、結婚相手探しも省エネで、手軽にさくっとというのが流れなのでしょうか?

婚活アプリで結婚相手を探す女性

番組では婚活アプリで結婚相手を探しているチサトさん(26歳)が登場。

彼女は、介護の仕事をしていて年収は200万円あまり。結婚を急ぐのは、家計の負担をパートナーとシェアすることで「生活を安定させたい」という気持ちが強いからだそうです。

 

チサトさんは

「気持ち的にはすぐに同棲でもいい。

いろいろ考えながらやりくりしながら生活しているから、もうお金には敏感ですかね」と語っています。

結婚相手との「金銭感覚の違い」は、共同生活をする上で大きなトラブルの種になりますので、非常に重要なポイントです。

どちらが財布のひもを管理するのかにもよりますが、浪費家で散財ぐせのある人より、倹約家できっちりしている人をパートナーに選んだ方が、当然、生活は安定するでしょう。

 

国の調査によると、主に女性から結婚の利点として意見が多く寄せられているのが「経済的に余裕が持てる」というもの。この結果は、2005年の12%から2015年には20.4%に上がっています。

若年層の就職難や低所得は、日本社会の問題ですが、それはダイレクトに「若者の結婚」という部分にも大きな影響を与えているのは間違いありません。

 

チサトさんは、すでに無料婚活アプリで「気になる人」を見つけている様子。

「二人いるんですけど、結婚に本気の人なのかなって」

チサトさんは、20代ながら、40代男性二人と条件があい、一人とレストランで食事をする約束をしているという。

相手は経営者(らしい)だというから、玉の輿も夢ではない?

 

「何か変わるかなって思っている。その可能性をかけてやっています」

と語るチサトさんにとって、「結婚」は今の窮屈な生活、未来の見通せない人生を劇的に変える一発逆転の秘策なのかも知れません。

【考察】結婚は本当に安定なのか? 

不況や社会情勢の不安など、生き抜いていくのがなかなか大変な世の中にあって、結婚に「安定」を求めるのは自然の流れなのかも知れません。

番組に登場したチサトさんのように、特に若年層の間では、職の不安定や低所得、生活の困窮などが切迫した問題になりつつあります。

 

結婚できない・考えられない大きな理由の一つが、「低所得や生活の不安定」を挙げる若者は少なくありません。

男としては、あまりにも安い自分の給料では、妻や子供を養えないと思えば、結婚する気などなくなってしまうのも理解できます。

 

今では、夫婦共働きはスタンダードになりつつあります。我が家も当然のように共働きです。

共働きの場合、収入源が二つになるというメリットはかなり大きいです。

それぞれの収入はさほど多くなくても、二馬力にすることで、ある程度満足できる金額と、それ相応の生活水準を得ることは可能になります。

結婚生活を継続し、子供を産み育て、「平穏な暮らし」をするためには、やはりお金が必要です。

そう考えると、結婚に安定を求める女性にとっては、収入の安定しない同年代より、懐に余裕のある年上ジェントルマンの方が魅力的に思えるという部分もあるのかも知れません。

 

チサトさんのように、今現在の閉塞した状況を何とか打開するための起爆剤として、結婚に希望を抱く人は多いでしょう。

そう考えると、「安定」という目的を達成するためには、のんびりと恋愛しているヒマはないという気持ちも分からなくはありません。

できるだけ条件がよく、自分を幸せにしてくれる可能性が高いパートナーを効率よく見つけだし、結婚する。

そのための最短距離を疾走するためのツールが「婚活アプリ」ということなのでしょう。

「逃げ恥」作者が語る「いきなり結婚」現象

逃げるは恥だが役に立つ(1) (Kissコミックス)

番組では、他局民放で大ヒット中のドラマ「逃げ恥」も映像付きで取り上げられました。

そもそも、この番組企画自体、「逃げ恥」のヒットを受けてのものでしょうから、NHKさえも動かした「逃げ恥」の力、恐るべしです。

番組では、「逃げ恥」原作者の海野つなみ氏にインタビューしています。

何でも、ドラマ放送直後から膨大な数の共感の声が寄せられているとか。

それは一時のブームによる盛り上がりを差し引いたとしても、「いきなり婚が社会に受け入れられつつある」ということの一つの証明でもあるでしょう。

 

「逃げ恥みると毎週早く結婚したくなる」

「逃げ恥すっかりハマってる。安定した生活を送りたい」

など、ネット上には「逃げ恥」の影響を受けて、「結婚」に対して前向きな意見が多く見られます。

海野さんは、「なんでみんな結婚したがるのかと考えた時に安心したいのかなと思って」と、「逃げ恥」現象を分析しています。

 

「婚活疲れた、就活疲れた、仕事疲れた、契約結婚でいい」

そういった風潮を読者の声から感じ取っているそうです。

現代人は、そうとうに疲れているようですね。

 

「婚活やパラサイト・シングルの名付け親」である中央大学の山田昌弘教授によると、社会全体、特に結婚適齢期である世代に経済的な余裕の無さが広まってる現状を指摘。

結婚はそもそも「好きな人と出会って結婚し、その後、二人の生活が始まる」のがこれまで一般的とされてきたスタイル。

しかし、その両方がなかなか両立しなくなると、前半部分=恋愛をすっ飛ばして「いい生活をしたい」という部分に重点が置かれるようになってしまう。

 

そうなると、「恋愛」という存在自体がコストになり、お金に余裕のない人々は、コストパフォーマンスをを考えざるを得ない。

恋愛によるコストを少なくするには、いきなり結婚がベストということになる。

2007年に、教授は「婚活」という流行語を生み出したが、それから10年近くが経過し、恋愛や結婚事情にも大きな変化が現れています。 

2007年頃は、「出会いがないから結婚できない」人が多かったため、それを解消するために「出会いを見つけて恋愛して結婚する=婚活」が流行しました。 

それが2016年になると、かつては重要視されていた「恋愛」をすっとばして「いきなり結婚」をするという若者も増えて来ているのです。

彼らにとって恋人がいらない1番の理由は「恋愛が面倒だから」だそうです。

番組では、彼女いない歴=年齢という「逃げ恥」における津崎平匡と同じ状況の32歳番組ディレクターの土生田さんが取材を行っています。

彼女いない歴=年齢ディレクターの現場取材

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取材ディレクターである土生田さん自身は「彼女がすごく欲しいし、できたことはないけど、片思いしかしたことはないけど、面倒って思ったことはない」とのこと。ある意味、健全な考え方の持ち主です。

だからこそ「恋愛が面倒」というアンケート結果に「本当かな?」と疑問を持っています。

 

番組では、ホームページ、Twitterでアンケートを実施。10〜30代・800人から意見が寄せられました。

 

そのアンケートに参加していた大学三年生のケンイチさん。

クラス、サークルに女友達は多いですが、彼女いない歴22年、性経験なし。

周囲に同じような男子が多数おり、アパートにいつも泊めてもらう同級生も同じ状況だそうです。

 

「恋人いなくてもいいぜって肯定してくれる仲間たちがいることによって安心感を得て、そこで別に冒険をして何か好きな子にアタックしてまでも

恋人をつかむっていう努力が面倒くさい」と語るケンイチさん。

 

ただ、「それ言い訳でしょっていう人は多い」という。

つまり「彼女できないこと」のいいわけ、ごまかしであるということでしょう。

ケンイチさん自身も、彼女は欲しいという気持ちはもちろんあるとのこと。lineでつながっている友達は300人を越える。出会いもある。それでも彼女をつくらないのには、別の理由がありました。

 LINEで告白→振られる→拡散という悲劇

それは過去のある苦い経験。

LINE上の1対1のやりとりで意中の人に恋を告白したら、やりとりの画像が友人に広まり、すべてを知られてしまった。

ケンイチさんは「僕の個人的なやりとりをみんなに見られたのも嫌ですし、相手のことを信用してたけど、そういうことになっちゃう」

 

現代っ子が直面する「SNSで行動が筒抜けになるので、恋愛がしにくい」というねじれた状況。

「Facebookで自分の行動が他の人にバレて、あれ最近彼氏できなたんじゃないの?みたいに勘ぐられるのも面倒くさい」という女性の意見も紹介されています。

 

スマホと常に一緒にいる現代の若者はline、TwitterなどのSNSの利用によって、リアルな人間関係が壊れないよう最大限注意して生活をしている訳です。

 

そんなSNS監視社会の問題を指摘するのは、和光大学准教授の高坂氏。

『恋人とのツーショット写真を上げるなんていうのは、恋愛している若者にすれば普通のことだが、それがおめでとう、いいね、幸せそうだねていうポジティブな評価だけではなく、いわゆる「リア充自慢」のような嫌味にとられてしまうこともある』

 

ケンイチさんは

「彼女作って見返してやろうではなく、別にこの恋人いないままでいいやみたいなのは、僕はありますね。やはり、劣等感の裏返しなのかもしれない」

と自虐的に語ります。

スマホ社会、SNSの光と影

インターネットやSNSの登場により、利便性やコミュニケーションの方法は大きく拡大しましたが、それによって逆に生きることが窮屈になっている若者たちの姿がそこにはあるように思います。

 

ネット上のコミュニケーションが増え、好きな人への告白もメールやラインで行う。

しかし、ネット上の情報はアナログに比べて、不特定多数に見られる、知られる可能性は高くなっています。

たくさんの人間、社会につながっているからこそ、本来クローズな関係であったはずの恋人関係も本人たちの意志とは無関係なところでオープンになってしまっているように感じます。

 

いわゆる「リア充」もネット社会独特の現象でしょう。

わざわざSNSに掲載しなくて良いものを掲載して、なぜか他人から悪い感情を抱かれる。

何も悪いことをしていないのに「リア充自慢か」と疎まれる。

何だか、とてつもなくひん曲がった考え方だと思いますが、そういう風に考えてしまうのが人間なのでしょう。

フェイスブックでつながっている友人が何百人もいることに価値を見いだしている人はそれほど多くはないと思いますが、バーチャルのつながりが実社会に与える影響は、良いものばかりではないということは間違いないでしょう。

きっと本当は彼女が欲しいはず

ケンイチさん自身も言及していますが、彼女いない歴を長く過ごしている若者も、その大半は「もしできれば彼女が欲しい」と思っているはず、いやそう思っている人が多いでしょう。

 

僕も昔若い男でしたから、その妄想力の凄まじさは理解しているつもりです。

以前に比べれば少なくなったかもしれませんが、世の中には「恋愛」があふれています。

彼女がいる友人もいるでしょう。ドラマやマンガ、映画の中では常に魅力的な恋愛物語が繰り広げられています。

大学のキャンパスには、魅力的かつ、好みのタイプの女の子も歩いているでしょう。

あの娘が俺の彼女だったらなあ。。。

彼女なし男子は誰もが、そんな妄想をするものです。

 

彼女は欲しいけれど、彼女は作らない、作れない。

その根底にあるのは、やはり「傷つきたくない」という過剰な自己防衛本能なのでしょう。

生まれた時からバブル崩壊後の暗い不況時代を過ごしてきた若者(僕だって同じようなものです)は、とにかく安定や安寧を重視しがちといのは、各種のアンケート結果を見れば明らかです。

 

彼女は欲しい。

しかし、告白をして振られ、心が傷つくのは耐えられない。

自分の殻で自分自身を過保護に育ててきた彼らの打たれ弱さは、あごがポッキーのように細いボクサーみたいなものです。

ただね、分かりますよ。分かります。

その、弱気な気持ち。

この飽和な時代に生きる若者にとっては、「彼女」は絶対に必要な存在という訳ではないのでしょう。

わざわざ、心を傷つけるリスクを負ってまで彼女を作ろうとするよりは、安全地帯にとどまって、自分を肯定してくれるものとだけ集めて暮らしていく。

それもまた、現代のライフスタイルの一つとして認められてしかるべきなのかもしれません。

気弱男子を待ち続ける女子たちの言い分

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続いて、恋が最大の関心事という29歳の鈴木ディレクター(女性)が取材を行いました。 

都内の大学に通う3年生のナオコさんとその友人たちから話を聞きます。集まった女性、全員が彼氏なし。

 

質問:今の時代に恋愛しにくい原因ってどういうものだと思いますか?

 

それに対して集まった女子大学生たちは

「逃げ腰の男性がいるからこっちもこっちで動かないし、責任を負いたくないみたいな」

「人のせいにはしたくないけど、男性から来られないから女性もいかない」

など、恋愛に消極的で自ら女性にアプローチをしない弱気の男性が増えているのが原因の一つと声をそろえます。

 

質問:どうしてこんなに消極的なのか?

 

ナオコさんも、異性にふられて傷ついたことがきっかけで、恋愛になって消極的になってしまったタイプ。

 

現代用語では、男性とつきあったことのない女性を「喪女」というそうです。

知らなんだ。

 

つまり、もてない女=喪女。

そんな、喪女となったナオコさんの傷ついた心を癒やしたのは疑似恋愛の世界でした。

美人じゃない女の子がイケメンに好かれるマンガ「高台家の人々」

 高台家の人々 1 (マーガレットコミックス)

彼女が紹介したマンガの一つが「高台家の人々」。

その理由は主人公の容姿が中の下だから、だそうです。

「中の下(のどこにでもいる女子)がイケメンに好かれることって絶対ないじゃないですか、ほとんど日常で。

だから中の下でも好かれる要素があるというのを体験したくて買いました」

彼女はそう説明します。

 

最近はもてない女子が素敵な男子と結ばれる喪女頚漫画がブームだそうです。

現実の男性と違って、漫画の中の男性は裏切らない。それが、現実の恋愛ではなく、創作の中の疑似恋愛に身を委ねる大きな理由の一つのようです。

つまり、女子も男子と同様、「自分が傷つくのがいや」なのです。

つかの間の逃避を重ねているうちに現実に戻るのが億劫になってしまったという彼女。

確かに、実際の生身の恋愛より、疑似恋愛に浸っている方が楽です。

それは、いつの間にか抜け出せなくなる麻薬のようなもの。

 

交際経験がない20代の女子がメディアの登場人物(アイドルや漫画)に恋をした経験があるかというアンケート結果を見ると、33%の人が「ある」と答えています。

 

「漫画は好きだけど、実際の恋愛ってもっと汚いじゃないですか?

性行為とかうんぬんにおいても裏切りもあるし、

私このレベルだから多分一生今後つきあえないのかなって思ったりしますね」

一度こじらせると、この病はやっかいなようです。

中央大学文学部宇佐美教授の分析では、

「将来どうなるかわからない終身雇用というものが得られるか、ということを考えたら、むしろ生活とかこれこれから先の不安などが重視される」というのが、現代の社会風潮ということだそうです。

テレビドラマに見る若者の恋愛

ある意味、社会を映す鏡であるテレビドラマの変遷を見てみると、面白いです。

かつて、バブル時代に登場した「トレンディードラマ」の時代から、テレビドラマの花型といえば、「恋愛もの」でしたが、次第に恋愛の要素が低いドラマが主流、人気になり例えばドクターXのように女性を主人公にしながらも恋愛を主題にせず、働く人の気持ちや女性の働き方に焦点を合わせています。

 

これは若者の恋愛離れとも無関係ではないでしょう。

かつて「恋愛ドラマの代名詞」だったフジテレビの「月九」は人気も視聴率も大幅に落としているのが現状です。

多様化する恋愛・結婚のカタチと根底にある社会不安 

若者の恋愛離れが進み、現実世界とは別にバーチャルな世界でも多くのコミュニケーションが成立している。

そんな社会の中で、かつてのように「フツウに恋愛をして結婚をする」という一般的なj胸式とされていたことが「フツウ」でなくなり、恋愛をすっ飛ばして結婚する「いきなり結婚」がある種のブームになりつつある。

恋愛や結婚という行為自体が、僕達の想像を越えて多様化していることの現れでしょう。

 

文化の多様化は決して悪いことではないでしょうが、その根底には、これからの社会を担っていくはずの若者たちに経済的余裕がなく、人生において「失敗する余裕がない」という状態に追い込まれているという問題があります。

 

この状況の根本を解決する策が何か必要なのかも知れません。

★こちらの記事もどうぞ

正直な話「結婚はした方が良い?しない方が良い?」について考えてみよう

「いきなり結婚」を考えるための参考資料

逃げるは恥だが役に立つ

ドラマ版も面白かったですが、マンガ版もより深く「現代の恋愛や結婚」に切り込んでいて、非常にためになります。

9巻で最終巻ですので、ここで大人買いしておきましょう。

結婚したい人も悩んでいる人も読むとためになる本

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