我が息子G太郎の初節句が迫っている。
新聞に人形店の折り込みチラシがじゃんじゃ入っている通り、人形店にとってはひな祭りに次ぐ稼ぎ時である。
最近は、実際に着られる鎧やら何やらいろいろあるようだが、我が家は最初から「五月人形は買わない」と決めていた。
ではどうするかというと、小生が30数年前に買ってもらった鎧兜一式を息子に引き継がせようと言うのである。いわゆる「鎧継承」であり、俗にいう「世代を超えたお下がり」である。
昔からのしきたりによると、節句人形は母方の親御さんが買ってあげるもの(と聞いたが、地方などによっても違いはあるだろう)らしいが、自慢ではないが我が家には、いかにも立派な階段付きの鎧兜がある。
小生が幼少の頃、それはもう天使のようにかわいい赤子であったころに誰かが買ってくれた代物だ。
「買ってくれ」と頼んだ覚えはないのだが、気づいたらそこにあった。
こちら実家に飾られた鎧兜。
小生が生まれて数年はこのようなフルセットで飾っていたようだが、出すのもしまうのも大変なので、その後は鎧だけがちょこんと鎮座していた。
今回30年ぶりに完全な状態で再現された鎧兜は、意外な迄に立派である。保存状態も良いので、まったく古さを感じさせない。もちろん、今現在人形店で売られている商品に比べれば、形も古くさく、なんだか地味かもしれないが、そもそも鎧というのは「古くて当たり前」のものだろう。その方が年季が入っていて「逆に良い」というものだ。
この精悍なたたずまい。ただ座らせておくのがもったいないくらいの見事な武者っぷりである。
パパの鎧兜を息子に継承し、名前旗で名義変更
おそらく0歳の息子G太郎は、自分の節句人形がパパのお下がりで多少古ぼけていたとしても文句はいわないだろう。彼はいま私の横で、だあだあ言っているので、一応「それで良いかい?」ときいてみた。
彼は「だあ、だあ」と言った。おそらく「だいじょうだあ」と言ったのだろう。聞こえたのは最後の「だあ」だけだが、これにて本人が承認したものとする。
五月人形の鎧兜はこれにて一件落着として、G太郎の名前の入った「何か」が欲しい。
小生の場合、鎧兜には名前入りの木製の立て札がついていたが、同じような物を探していて良いものを見つけた。
いわゆる名前旗という奴である。
高さ 56.5cm の豪華な刺繍飾りです。
玄関やサイドボード、節句人形の隣等、飾る場所を選びません。
職人がひとつひとつ丹念に創り上げた手作りの逸品。
手作り特有の感触、美しさをお楽しみください。
美しい刺繍の名前旗は、お食い初め、お宮参り、節句、お誕生日など様々なシーンでご利用頂けます。
※商品説明より抜粋
大きさは様々あったが、一番大きい高さ56.5cmをチョイス。
豪華な金の刺繍で名前を書いてもらえば、我が子も文句は言えまい。
この旗を兜に添えて、息子G太郎のオリジナル五月人形鎧兜スペシャルの完成である。
飾り段には、なぜか我らが鹿島アントラーズのマスコット「しかお」くんの人形も飾られていた。
初節句の人形にもいろいろな形があってよいはず。今回の「人形継承」がスタンダードになる日もきっと近い。
最近は、家の中で場所をとる大きな鎧や兜ではなく、コンパクトサイズでかわいらしい武者人形や無骨な魔除け人形の鍾馗なども人気らしい。
こればかりは小さな息子が好きなものを選ぶことはできないので、両親が想いを込めて決めてあげれば良いのである。