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漫画や小説を使った「原作もの映画」はどうすれば面白くなるのか?

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参照:Yahoo!映画

今春話題の「原作もの映画」である「僕だけがいない街」が公開中である。同じく人気漫画の実写版映画「進撃の巨人」のレビューサイトをみたらあまりにも酷評されているので、「やっぱりな」と思う反面「なぜこうなる?」という憤りを覚えた。漫画や小説の「原作もの映画」を面白くするためには何が必要なのかを考えてみる。

漫画・小説などの「原作もの映画」は基本的に面白くない説

最近、遅ればせながら漫画「進撃の巨人」のネタバレ考察レビューを執筆し始めて、改めて漫画版を呼んで面白いなあと思いつつ、そういえば実写映画があったような?と思い立ち、映画レビューサイトYahoo!映画をのぞいてみた。

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総合評価は2.26点。

評価件数が7869件という多さを考えれば、これは映画を観た人の正しい感想、もしくは怒りが込められた低評価なのだなと推測できる。

実際に、レビューコメントを見てみると、それはもう酷評に次ぐ酷評。

酷評の見本市、総合商社、Amazonとも言える豊富な品ぞろえて、手を変えしなを代え、この映画がいかにおもしろくなかったかを力説している。

本来、この映画について何かを述べるとすれば、「実際に観てみる」必要があるとは思うのだが、

ここまで「おもしろくないですよ。きっと、おもしろくないですよ」と太鼓判を押されている映画をわざわざレンタルして観るほど、小生は寛容でも暇人でもない。

「進撃の巨人」に限らず、小説や漫画を原作にした、いわゆる「原作もの映画」は、話題性はあるのだが、作品自体は総じて「おもしろくない」傾向が強いと感じている。

もちろん、映画が面白いかどうかは個人の好みや考え方によるところが大きいので、「すごく面白かった」という人もいれば「面白くなかった」という人もいて当然である(この映画「進撃の巨人」だって、ものすごく面白かったという感想を持っている人はいるだろう。それが悪い訳ではない)。

ただ、中には、その映画を観た大多数の人が「おもしろくない」と断じてしまうような映画も存在する。

本作の「2.26点」という客観的な評価は、予備知識のない人に「おもしろくない映画」と判断されてもおかしくない数字である。

ちなみに、「僕だけがいない街実写映画版の同サイトレビューによる評価はこちら。

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おもしろくない原作もの映画の問題点は何か?

漫画や小説の原作もの映画がおもしろくないことが多いという事実には、何か理由があって然るべきだろう。

「進撃の巨人」にしても「僕だけがいない街」にしても、「アニメ版」は原作同様の高い評価を受けている。

では、なぜ「映画化」されるとダメになるのか。

まず考えられるのが、映画の時間的制約である。

1.原作ものを2時間の映画枠に収めるには無理がある

原作ものは、完結、もしくは継続して連載中の漫画や小説を元にして映画を作る。

漫画や小説は、ほとんどが長編作品であるから、当然のことながら長い。

現在公開中の「僕だけがいない街」は7巻で連載中。

http://shikawo.com/bokumachi-eiga/

るろうに剣心は、コミックスで28巻(その中の志々雄編のみ取り上げたとしても長い)である。

http://shikawo.com/eiga-rurouni-kyoto/

小説作品も、最近は長大化が進んでおり、かつ短編小説が脚光を浴びることは少ないので、

基本的に長編小説が原作本として選ばれることがほとんどである。

となると、到底「2時間」という一般的な映画の尺に全部は収まらない。

映画として成立させるためには、かなりのエピソードを削ったり、設定を変えたりと「無茶をする」必要が出てくるので、

結局は「前作の良いところを切り貼りしただけの粗悪なコピー品」しか出来上がらないのである。

2.原作ファンの期待が大きすぎる

映像化されるのは当然、人気作品なので、熱狂的なファンが存在する。

ファンは、その作品への思い入れが強ければ強いほど、他のメディアへの移植(映画、ゲーム、舞台、ドラマなど)された時に求めるクオリティは高くなる。

ファンとしては「原作のイメージそのままに映像化」してもらうことを望んでいるはずである。

しかし、製作者側は、ストーリーを変え、エピソードを削り、設定を変更することが「当たり前」の状況で映画製作をしているので、

ファンが求めるものとの乖離は当然大きなものになるはずだ。

結果として、作品のファンからは「こんなものは認めない」という怒りが噴出し、

原作を読んだことがない人からは、作品の本質的な部分ではなく「エピソードの断片」のみを観せられるので「原作を読んでいないので、いまいちよくわからない」という不満が出る。

興行収入も伸びず、利益もでない。

こうして、最終的に「誰も得をしない映画」が出来上がるという仕組みになっていると思われる。

3.製作者側に「作品への愛」がなさすぎる

なぜ、漫画や小説の人気作品をこれほどたくさん映画化するのか?

一つは、ドラマや映画製作サイドに「オリジナルを作る能力がない」という点。

そしてもう一つが、「もともと人気の作品なら、固定ファンがいるので労せずとも集客ができる」という点であろう。

例えば、「俺はこの作品を映画化したい!」という監督やプロデューサー主導で製作が進む映画ならまだしも、

「この漫画が人気らしいから、映画化すればガッポリもうかりそうじゃね?」という考えから、製作が進められたとしてら、

そこには「原作作品に対する製作サイドの愛」などというものは、期待するほど無駄に違いない。

その原作が大好きだから、その作品世界を自らの能力で演出で映像化して、多くの人に観てもらいたい。

もし小生が映画化される原作の作者であれば、そのくらいの意気込みを持った人たちに映像化を託したいと思うだろう。

原作もの映画をおもしろくするための案

では、現実問題として、原作もの映画を面白くするためには、どんなことが必要なのか。

それを、小さな脳みそで考えてみた。

1.一日や一週間など短い期間の話を描く

これは、初めて小説や漫画を創る人によくアドバイスされることだが、

「何年にも渡る物語を作ろうとしても無理がある。最初は、1日や数日、長くても1週間で終わるお話にするべきだ」

物語内で流れる時間を長くすればするほど、それを丁寧に描くには時間がかかる。

「それから100年後」とテロップを入れれば済むことだが、それで問題は解決しない。

原作モノ映画は、基本的に長い期間をかけてストーリーが進むので、2時間の映画にまとめるのは至難の業だ。

故に、長いものであれば、その中から「ある一定の期間」を切り取って、それを映画原作とする。

または、もともと「物語世界で流れる時間が短期間である」作品を選んで、映画原作とする。

この2つの手法が考えられる。

例えば、有川浩原作の映画:阪急電車 片道15分の奇跡は、多くの登場人物の過去や現在が複雑に絡みあう群像劇でありながら、阪急電車に乗車している僅かな時間の中で繰り広げられる悲喜こもごもをすっきりとまとめあげた良作である。

2.スピンオフとして、主人公以外を主人公にする

ファンの思い入れが強い作品、そして主人公をそのまま主役にして、原作通りにストーリーを進めるのには間違いなく無理がある。

であるならば、「原作における主人公以外の人気キャラクター」を映画版の主人公にして、原作とは異なるアナザーストーリーとして映画化するという手法もある。

例えば、進撃の巨人であれば、リヴァイ兵長などが適役だろう。

今回の実写版では、存在すらしなかったリヴァイ兵長だが、彼を主人公にして、調査兵団が遭遇した「ある日の出来事」を実写映画化する。

これならば、もちろん、巨人の恐ろしさや人類との激しい戦闘、自ら進んで死地に赴く調査兵団の葛藤などをよりストレートに描くことが可能ではないかと考える。

しっかりとしたCGを作れば、作品の肝でもある立体機動を活用した大迫力のバトルシーンだって描けないことはないだろう。

原作には描かれていないストーリーなので、熱烈なファンからその点でのつっこみは受けないで済む。

原作を「そのまま映画に移植しよう」と思うから無理が出るのだ。

違う角度からアプローチすれば、意外な光が見えることだってきっとあるはずだろう。

3.原作者に脚色を依頼し、ストーリーを「映画用」に書き直す

芥川賞作家・吉田修一原作の「悪人」は映画化される際、監督であるリ・サンイル氏は原作者である吉田氏と共同で脚本を制作し、吉田氏は自身の作品に脚色を加えるカタチで「映画として面白くなるストーリー」を模索したという経緯がある。

原作者の場合、多くは、原作が原作者を離れて独り歩きし、製作のすべてが「映画製作サイド」で決められることが多いようだが、

原作もの映画が、「原作のカタチが変わったもの」であると考えれば、本来は「原作者の意図」もしっかりと反映されてしかるべきである。

その意味では、「原作者が積極的に映画版に関わる」ということも、(トラブルの数は増えそうだが)あっても良いのではないかと考えられる。

映画のためのオリジナルストーリーが観たい

その作品には、小説や漫画など、「その作品にあった発表媒体」があるはずだ。

中には、あえて映像化しづらい内容の作品を描く作家もいる。

メディアミックスは、作品の広報手段として、多くの利益を生む手法として重宝されていて、

実際に成功例も多々ある訳だが、

こと「原作もの映画」に関しては、どれもこれも「粗悪なコピー品」の域を脱せず、成功しているとは言いがたい。

日本映画界にとって今、最も重要なのは「オリジナルを生み出せるクリエイター」を育てることだろう。

現状では「てっとり早く利益が期待できる」はずの「原作もの」ばかりに取り組み、業界全体が「楽をしている状況」である。

当然、あたらしいものを生み出すのは大変だし、苦労をするだろう。

しかし、だからといって安易に「原作もの」に逃げていたら、そのうち日本映画界は「漫画や小説を映像化するための二次創作業界」と言われてしまうだろう。

そうなりたくなければ、小説や漫画、そして映画ファンを「あっ!」と言わせる観たこともないオリジナル作品をつくってみることだ。

かつて、日本で映画がメディアの王様だった時代には当たり前だった「映画でしか観られない物語」。

それをファンは欲しているのである。

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